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レースプレビュー:WTCRスターたちが酷暑のスロバキアでポイント獲得を目指す

2018-07-06T09:00:51+02:00 2018年7月6日|2018, WTCR レース・オブ・スロバキア 2018|

サッカーのFIFAワールドカップもファイナルが近づく中、WTCR(FIA世界ツーリングカー・カップ presented by OSCARO)は、7月13‐15日に開催されるスロバキアリンクからシーズン後半戦へと突入していく。

コーナーのレイアウトという意味では、全ての要素が少しずつ盛り込まれているこのサーキットは、2012‐2016年の5年間、FIA世界ツーリングカー選手権が開催されたブラティスラバに近い立地。ガブリエーレ・タルクィーニが「ヨーロッパで最高のコースの一つ」と言い表すほど、常に高い支持を得ている。

開催まで2カ月足らずという時点でWTCR OSCAROアルゼンチン戦の代替が決まったWTCRレース・オブ・スロバキアは、FIAヨーロッパ・トラックレーシング選手権とのダブルタイトルが懸かり、エキサイティングなモータースポーツウイークとなりそうだ。

激戦の展開で注目を集めるタイトル争いの新たな章として始まるWTCRレース・オブ・スロバキアは、先月、ポルトガルのビラ・レアルでのストリートサーキットでWTCR OSCAROで優勝を飾った地元のヒーロー、マト・ホモラを迎える。

「このレースは自分にとってビッグニュースだし、とても興奮している」と語るスロバキア出身のホモラは、DGスポーツ・コンペティションの プジョー308TCRを駆る。
「自分の母国レースだし、レースが予定されていたアルゼンチンと比べれば、スロバキアリンクは自宅から20km、何千kmも離れていない。だから自分にとって完璧な環境だし、スロバキアやスロバキアのモータースポーツ界にとっても素晴らしいこと。スロバキアリンクは、オーバーテイクの歴史がたくさんあり見応えのあるいいレースが見られるし、観戦の上でも楽しみもたくさんある」

ビラ・レアルではイバン・ミューラーに打ち勝ったことで、母国戦でのホモラにかかる期待は一気に高まっている。
「いいリザルトを出したいのでプレッシャーも感じると思うが、それもゲームの一環、モータースポーツの一環だし、自分はその感じが好きだよ」と語るホモラは現在23歳。
「もしプレッシャーがないとすれば、勝てるチャンスがない時。そんなことには、なりたくないからね」

ミューラー同様、BRCレーシングチームのタルクィーニもスロバキアリンクでの優勝経験者。2012年に初めて開催されたWTCCレース・オブ・スロバキアで美酒を味わっており、翌年もイベントを制している。今季は6戦中、3レースで勝利を挙げているが、ドイツ、オランダではノーポイントに終わった。しかし、ビラ・レアルではポディウムに上がり、勢いを取り戻している。

「どのコーナーもそれぞれに違うこのコースが、大好きだ」と語るタルクィーニは、WTCRレース・オブ・ポルトガルの週末は体調不良に悩まされたが、現在は回復している。
「ビラ・レアルではコンペティティブに戦えたので、スロバキアではトップ5争いをしていきたいが、簡単にはいかないだろう」

スロバキアリンクで行われる3つのレースでは、WTCRレース・オブ・スロバキアの週末を通して最もポイントを獲得したドライバーに贈られるタグホイヤー最多ポイント獲得ドライバー(モースト・バリュエイブル・ドライバー=MVD)が用意されている。またタグホイヤー・ベストラップトロフィーDHLポールポジション賞も設定されている。

悪夢に襲われたセバスチャン・ローブ・レーシングはWTCRスロバキア戦に向けて必死の準備

セバスチャン・ローブ・レーシングはWTCR(FIA世界ツーリングカー・カップ presented by OSCARO)スロバキア戦までにフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRの新車を2台用意しなくてはならないという、苛酷な作業を続けている。これまで使用していたマシンは、先月のWTCRレース・オブ・ポルトガルで優勝争いを展開していたメディ・ベナーニロブ・ハフが接触。激しくクラッシュした上に、多重アクシデントも引き起こす結果となった。チーム代表のドミニク・ハインツは「あの週末は最高の滑り出しで、フリープラクティス、予選とチームが素晴らしい仕事をしてくれたので、我々の期待も高まっていた」と説明する。
「残念ながら、それが一瞬にして悪夢に変わってしまった。しかし、一番重要なことは、ロブとメディが2人とも無事だったということだ。彼らがこれまで通りに戦えるようになるのを待っている。自分の思いは常に彼らとともにあるし、一日も早い回復を願っている。好リザルトを収められるはずだった週末を逃してしまったが、チームは今、スロバキアでのイベントに挑むべくモチベーションを高めている。夜を徹しての作業を続けており、同じレースで2台のマシンが破損してしまうというのは極めて珍しい状況で自分たちに選択肢は他にないが、通常のクオリティで新車を2台仕上げて、スロバキアでもいつも通りトップクラスのレベルで戦えるよう、必死にがんばるしかない」

WTCRレース・オブ・スロバキアのワイルドカード枠も発表
WTCRレース・オブ・スロバキアでは、ペトル・フリンアンドレイ・スツデニクが地元のワイルドカード枠を獲得した。隣国チェコ共和国出身のフリンは、2017年のFIAヨーロッパツーリングカー・カップ王者。スロバキア出身のスツデニクは、1992年から参戦を開始し、ヒルクライム、ツーリングカーレース、最近ではスポーツカーと様々なカテゴリーに挑んでいる。また、エンジニアやコーチとしての経験も持つ。2人のドライバーは、WTCR OSCAROにフル参戦する25人のドライバーとともにスロバキアリンクで戦うことになる。41歳のフリンはフリン・レース・アカデミーのクプラTCR、同じく41歳のスツデニクはブルタル・フィッシュ・レーシングのフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRを駆る。
「資金を集めなくてはならないので厳しい面もある一方、イバン・ミューラー、ガブリエル・タルクイーニといった偉大なドライバーとともにWTCRで戦える最後のチャンスになるかもしれない」と語るフリンは、今季、TCRドイツでレース勝利を挙げている。
「彼らはそれほど年寄りではないが、近いうちにキャリアを終える決断をすることもあり得るので、自分は参戦するしかないと言ったんだ。人生は短いし、だからこそ楽しまなくてはならない。だから参戦を決意した」
WTCR OSCARのグリッドに、マト・ホモラに続いて2人目のスロバキア人ドライバーとして並ぶ“アンディ”ことスツデニクは、ヒルクライムやサーキットレースで、数々の成功を収めている。16歳からキャリアを積み始めたスツデニクは、シュコダ・フェイバリットからフェラーリ458 GT3まで幅広いマシンを操ってきた。近年では、2016年にスロバキアリンクで開催された24時間レースにセアト・レオンTCRで参戦し優勝を飾っている。
「このマシン(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)は、まだ数十kmしかドライブしていないので、WTCRの戦いに関しては比較できる要素がとても少ない」とスツデニク。
「レース経験は豊富だが、このタイプのツーリングカーは初めて。でも、2回のプラクティスセッションでマシンのセットアップが決まって見通しが立てられればと思う。もちろん、自分たちにも目指す先はあるし、それがなければレースなどしない。しかし、経験豊富なドライバーたちとどのように立ち向かえるのかは、糸口が見つからないね」

新時代はさらに強さが求められるスタイルに
コーナーからコーナーへのオーバーテイクを推進するようにレギュレーションが設定される中、世界チャンピオン経験者4人と地元参加枠、ツーリングカーの国際タイトル獲得経験者、新進気鋭の若手、3人の元F1ドライバー、カスタマーレーシング7ブランドがグリッドに名を連ねるWTCRレース・オブ・スロバキアの舞台では、見応えたっぷりのレースが待っている。WTCCから名前も新たにスタートしたWTCRでは、大会の週末に3レースを実施。さらに予選セッションが2回行われる。また、レース週末に最もポイントを獲得したドライバーに行われる注目のタグホイヤー最多ポイント獲得ドライバー(モースト・バリュエイブル・ドライバー=MVD)が設定される他、レース1はFacebookの公式ページや、WTCRのシリーズパートナーである、オリジナルの自動車スペアパーツのオンラインリテイラーの世界大手、OSCAROの公式シリーズサイト、wtcr.oscaro.comでライブ中継を行う。