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レース事前情報:#WTCR2019SUPERGRIDが次に挑むのは世界で最も過酷なサーキット

2019-06-30T06:47:37+02:002019年6月14日|2019, WTCR Race of Germany 2019|

WTCR レース・オブ・ドイツは6月20−22日、世界で最も過酷なコースで開催。#WTCR2019SUPERGRIDが、名門ニュルブルクリンクのノルトシュライフェコースに挑む。

一周25.378km、ターゲットは9分近くに及ぶラップタイムを誇るニュルブルクリンクのノルトシュライフェは、マシンにもドライバーにとっても、究極の試練だ。

1927年に開業し、1976年までは毎年ドイツグランプリが開催されていたニュルブルクリンク・ノルトシュライフェは、他には類を見ないジェットコースターのようなモータースポーツの舞台となる。

アイフェル山脈にあるこのサーキットは、上り、下り、ジャンプ、64カ所の心臓が止まりそうなコーナーに加え、2km以上にも及ぶストレートで構成されている。こうした要素に変わりやすい天気も併せ、WTCR(FIA世界ツーリングカー・カップ presented by OSCARO)のタイトルを狙う7つのカーブランドから14チーム27人のドライバーは厳しい試練に直面することになる。

12レース、6人のウィナー、激戦のタイトルレース
2019年は6人のドライバーがレース勝利をマークしており、7つのカスタマーレーシングブランドの全てがポディウムを飾るなど、WTCR / OSCAROシーズンは今期も激しい戦いが展開されている。エステバン・ゲリエリは、テッド・ビョークに対して11ポイントのアドバンテージを握ってWTCRレース・オブ・ドイツをスタートする。ネストール・ジロラミ、ノルベルト・ミケリス、マイケル・アスコナ、イバン・ミューラーも、タイトルを虎視眈々と狙う顔ぶれた。2019年の暫定スタンディングスはこちら。

アルゼンチン出身コンビのドイツでの活躍に期待
アルゼンチン出身のドライバー、エステバン・ゲリエリとネストール・ジロラミは、2019シーズンで台風の目となっている。両者ともレース勝利をマークし、選手権でも上位につけている。ゲリエリは12戦を終えた現時点で、選手権トップに立っている。同郷同士であるとともに、この2人は友人でもあり、ホンダ・シビックでシーズンを見事に滑り出したALL-INKL.COMミュニッヒ・モータースポーツのチームメイト。ゲリエリは、昨シーズンのノルトシュライフェで勝利を飾っており、ファン・マヌエル・ファンジオをはじめ、このサーキットで優勝を果たしたアルゼンチン出身ドライバーの堂々たるリストに名を連ねた。

ノルトシュライフェでの経験はシミュレーターやYouTubeが全てというルーキーたち、マイケル・アスコナ、ケビン・チェッコン、アッティラ・タッシは、#WTCR2019SUPERGRID勢でもノルトシュライフェのレース初心者。この過酷なサーキットを学ぶ最初のプロセスとして、シミュレーターで訓練を積んだり、YouTubeでオンボード映像を観るなどして勤しんでいる。

地元レッセンネスは地の利を活かしてWTCRでの勝利に期待
地元出身のベンジャミン・ルークターにニュルブルクリンクのノルトシュライフェを何ラップ走ったかと聞けば、1000と答えるだろう。しかし、2013年、大台に乗ってからはルークターは数えるのを止めている。以来、31歳のレッセンネスは、VLN耐久シリーズに参戦する中でさらに数え切れないほどの周回を重ねている。一方で、フォルクスワーゲンのテスト・開発ドライバーやアンバサダーとして活動することが、WTCR / OSCAROの初シーズンでの活躍につながっている。地元イベントを前に、ルークターはノルトシュライフェを最初に走った時の思い出、このコースでの初優勝、SLRフォルクスワーゲンチームでの勝利への期待について語っている。その模様はこちら

不可能を可能にするモンテイロは24時間レースにもエントリー
ニュルブルクリンク24時間にエントリーすることが決まったティアゴ・モンテイロ。モータースポーツで最も過酷なチャレンジの一つに挑む事で、英雄としての評価がさらに高まる事になりそうだ。テスト中のクラッシュで頭部と頚部に重傷を負った後、415日間に渡る治療からレースに復帰して8ヶ月も経たないモンテイロは、チーム・ホンダADACザクセンがエントリーするホンダ・シビックtype R TCRを駆る4人のドライバーの1人に決まっている。その超人ぶりをさらに証明するかのように、モンテイロは、アイフェル山脈の名門コースで開催されるWTCRレース・オブ・ドイツにKCMGのシビックtype R TCRで挑む3レースに加えて、過酷な24時間レースにも参加するのだ。モンテイロと同郷のWTCR / OSCAROレーサー、ニッキー・キャッツバーグ、トム・コロネル、フレデリック・ベルビッシュも、ADAC TOTAL ニュルブルクリンク24時間レースへの参戦が決まっている。

フィンランドのブリは、WTCRワイルドカード枠でニュルブルクリンク・ノルトシュライフェに参戦
6月20−22日にこの名門コース、ニュルブルクリンクのノルトシュライフェでWTCR(FIA世界ツーリングカー・カップ presented by OSCARO)デビュー戦に臨むフィンランドのアンティ・ブリは、トップ10フィニッシュを視野に入れている。自身も立ち上げに関わった新チーム、ASモータースポーツのアウディ RS 3 LMSをドライブするブリは、フィンランド人としてWTCR / OSCAROのレースに参戦する初めてのドライバーとなる。高い競技レベルを誇るADAC TCR ドイツシリーズを制した元シングルシーターのレーサーが、次のチャレンジに臨むことになった。
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#WTCR2019SUPERGRIDの蒼々たるメンバー
#WTCR2019SUPERGRIDは、26人のフル参戦ドライバーのうち7人が14のFIA世界タイトルを誇り、その他にも主要選手権タイトルをのべ29獲得している。

開幕戦のWTCRアフリクイア レース・オブ・モロッコではレース2で勝利してタイトル防衛シーズンを滑り出したガブリエーレ・タルクィーニは、BRC ヒュンダイ N スクアドラ・コルス i30 N TCRにカーNo1をつける。経験豊富なタルクィーニは、ハンガリーのレース3では地元のヒーローであるチームメイトのノルベルト・ミケリスを抑えて、今季2勝目をマークしている。

昨年の11月には7人が絡んだタイトル決戦でわずか3ポイント差で初代WTCR / OSCAROチャンピオンの座を逃した、世界タイトル4回を誇るイバン・ミューラーは、今回も中国のジーリー・グループモータースポーツが開発したシアン・レーシングLynk & Co 03 TCRを駆る。ミューラーは、ハンガロリンクではようやくポディウムに上がったが、今季初優勝はまだ逃している状況だ。

シアンではテッド・ビョークがミューラーのチームメイト。モロッコではLynk & Coに歴史的勝利をもたらしており、2度目のFIA世界タイトルを目指し始めている。ハンガリーとスロバキアでは悔しさが残る内容となったが、オランダでは2つの勝利をマークして勢いを取り戻しつつある。

2012年のFIA世界ツーリングカーチャンピオン、ロブ・ハフ(SLR VW モータースポーツ・ゴルフGTI TCR)は、2018年に勝利をマークし、2019年にも参戦を継続している12人のうちの1人。シーズン序盤はチャレンジングな展開となっていた英国のハフだが、スロバキアのレース2ではポディウム目前にまで迫り、ザントフォールトでも活躍を見せた。

BRC ヒュンダイ N ルクオイル・レーシングチームのアウグスト・ファルフス、元FIA世界ラリークロスの強豪ヨハン・クリストファーソン(SLR フォルクスワーゲン)、アンディ・プリオール(シアン・パフォーマンス Lynk & Co)は、全て世界タイトル経験者で、2019年に初めてWTCR参戦を開始しており、クリストファーソンはザントフォールトでポディウムにも上がっている。

マラケッシュのレース1ウィナー、エステバン・ゲリエリ(ALL-INKL.COM ミュニッヒ・モータースポーツ ホンダ・シビック type R TCR)は、ハンガリーのレース1を終えた時点で選手権首位に立ったが、レース3ではステアリングが破損したことでクラッシュを喫してしまった。スロバキアリンクのレース2では2位争いを演じ、ザントフォールトのレース2を制した事で再び選手権首位に返り咲いている。

ジャン‐カール・ベルネイ(レオパルド・レーシング・チーム・アウディ・スポーツ)はハンガリーで、リバースグリッドで行われるレース2のポールに陣取り2019シーズンの初勝利が期待された。しかし、クラッチトラブルによりスタートで出遅れたことで、ニューカマー、ダニエル・ハグロフ(PWRレーシング)の大金星に続いての2位に留まった。

ベルネイのチームメイト、ゴードン・シェッデンとComtoyou レーシングのニールス・ラングフェルド、フレデリック・ベルビッシュは、いずれもアウディ勢。ベルビッシュはスロバキアで、グリッド9番手から見事な追い上げを見せて勝利をマークした。WTCR / OSCAROでの初シーズンに挑んでいるラングフェルドは、走行を重ねる度にペースを上げ成長を見せている。

期待のかかる若手の多くが、2019年は経験豊富なベテラン勢にチャレンジすることを目指している。その中には、TCRヨーロッパチャンピオンからWTCRにステップアップしPWRのクプラに乗るマイケル・アスコナ、ここ数年はお互いに切磋琢磨しているライバルでKCMGのホンダを駆る19歳のアッティラ・タッシも含まれている。いずれもニュルブルクリンクのノルトシュライフェでレースをした経験はない。

同じくノルトシュライフェ初挑戦、チーム・ミュルザンヌのケビン・チェッコンと、ヤン・エアラッシ(シアン・パフォーマンス Lynk & Co)は既にWTCRで勝利をマークしているが、それぞれ25歳、22歳とまだ若手組。2019年はクプラにスイッチしてComtoyou チーム DHL クプラ・レーシングから参戦しているオーレリアン・パニスも同様だ。元シングルシーターのレーサーであるチェッコンは、スロバキアでポディウムフィニッシュをマークしており、エアラッシは前戦のザントフォールトでリードに立った。

Comtoyouではパニスのチームメイトとなるトム・コロネルは、ノルトシュライフェの豊富な経験を誇る。同郷オランダ出身のニッキー・キャッツバーグ(BRC ヒュンダイ N ルクオイル・レーシングチーム)は、2019年からWTCR参戦を開始しているが、過去には世界ツーリングカー選手権タイトルを獲得している。ベンジャミン・ルークターはTCRドイツで活躍した経験を持ち、フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRの開発において重要な役目を担ってきた。さらにノルトシュライフェでの豊富な経験も持っている。

同じく今季のニューカマー、ALL-INKL.COM ミュニッヒ・モータースポーツのネストール・ジロラミもWTCCでレース優勝を経験しており、スロバキアでWTCR / OSCAROでの3勝目を挙げたことでスタンディング首位に立った。昨年は中国人として初めてWTCRのポイントを獲得したマ・チンホアは、チーム・ミュルザンヌのアルファロメオ・ジュリエッタで挑んだスロバキアリンクのレース3を制し、WTCR / OSCAROでレース優勝をマークした初めての中国人にもなった。

ティアゴ・モンテイロは、頭部と頚部に重傷を負いWTCCタイトルの望みが絶たれた2017年以来、初めてのフル参戦を始めている。過去にはF1でポディウムにも上がっているこのポルトガル人は、香港ベースのKCMGからホンダ・シビック type R TCRで参戦中。モンテイロの元チームメイト、BRC ヒュンダイ N スクアドラ・コルスを駆るノルベルト・ミケリスも、タイトル候補の一角だ。