事前情報:WTCR OSCARO、マカオ決戦に向けて盛り上がりは最高潮に

2018-11-09T12:00:24+01:002018年11月9日|2018, WTCR Race of Macau 2018|

WTCR(FIA世界ツーリングカー・カップ presented by OSCARO)は、11月15−18日に、世界屈指のカジノ大国、マカオでの最終戦に向けて、7人のドライバーがタイトル決戦の最後のカードを切っていく。

27回に及ぶレースの末に、BRCレーシング・チームのガブリエーレ・タルクィーニ(ヒュンダイi30 N TCR)が選手権首位に立っている。しかし、上位7人が79ポイント差にひしめきあっており、3レースが予定されているサンシティ・グループ・ギアレースでは、最大87ポイントの獲得が可能。65年の歴史を誇る究極のストリートコースを走行する間にも、順位の変動は予想される。

一周6.120km、マカオのサーキット・ダ・ギアは、ツイスティなコーナーとナローセクション、ワイドでオープンなロングストレートと、速度に乗れるコーナーがミックスされている上に、勾配の変化もあり、世界屈指の難関かつ豪快なストリートコースとなっている。

中華人民共和国の特別行政区であるマカオでは、50年以上もツーリングカーレースが開催されており、名門ギアレースは1972年に初開催を迎えている。昨年の11月には、WTCCがこのコースに復帰し、シーズンのラストから2戦目として開催。ロブ・ハフが9勝目を飾った。今年は、WTCR OSCAROの最終戦を務め、7つのカスタマーチームからシーズン最多となる31人のドライバーが参戦する。

シーズン最終戦は7人がタイトル争い
選手権争いでは、ガブリエーレ・タルクィーニが、同じくヒュンダイを駆るイバン・ミューラーに対し39ポイント差をつけて優位に立つが、さらに5人のドライバーが、WTCR OSCAROの初代チャンピオンとなる可能性を計算上で残しており、イタリア出身のベテランであるタルクィーニは一歩も引かない構えを見せている。

「最初のレースから、選手権の首位に立っているんだ」と語る56歳のタルクィーニは、マカオでは初優勝も狙っている。
「自分は最年長だが、みんなは自分の後ろに続いている。このタイトルを獲るために必死で戦うが、マカオは賭けの部分もあり難関だということも理解している」

世界ツーリングカーではタイトルを4回獲得と最も成功を収めているフランスのミューラーは「選手権を勝つのは難しいかもしれないが、どんな可能性も残されている。計算上で可能性が消えない限り、あきらめない。マカオはマカオ、獲得できるポイントも充分に残っている」

2017年の世界ツーリングカー選手権王者であるスウェーデンのテッド・ビョークは、YMRのチームメイトであるミューラーに14ポイント差。チームOSCARO by カンポス・レーシングから参戦するスペインのペペ・オリオーラ(クプラ)は、さらに11ポイント差となっている。

ジャン‐カール・ベルネイ(アウディ・スポーツ・レオパルド・ルクオイル)は、現在選手権5位でオリオーラに11ポイント差、タルクィーニとは75ポイント差がついている。エステバン・ゲリエリ(ALL-INKL.COMミュニッヒ・モータースポーツ、ホンダ)とノルベルト・ミケリス(BRCレーシングチーム)はタルクィーニに78ポイント、79ポイント差で、ここまでがタイトルのチャンスを残している。

この7人全員が、サーキット・ダ・ギアでのレース経験を持っているが、マカオを制したことがあるのはミューラーとミケリスのみ。ミケリスは2010年に、マカオで優勝を飾っている。タイトルへの望みは薄いものの、この経験を前向きに捉えている。
「理想的な順位にはつけてはいないが、マカオでは何が起きても不思議ではない」とミケリス。

トップ7ポイント一覧表
ガブリエーレ・タルクィーニ(イタリア、BRCレーシングチーム):1位/291ポイント
イバン・ミューラー(フランス、YMR):2位/252ポイント
テッド・ビョーク(スウェーデン、YMR):3位、238ポイント
ペペ・オリオーラ(スペイン、チームOSCARO by カンポス・レーシング):4位、227ポイント
ジャン‐カール・ベルネイ(フランス、アウディ・スポーツ・レオパルド・ルクオイル):5位、216ポイント
エステバン・ゲリエリ(アルゼンチン、ALL-INKL.COMミュニッヒ・モータースポーツ):6位、213ポイント
ノルベルト・ミケリス(ハンガリー、BRCレーシングチーム):7位、212ポイント

チームズタイトルは、ヒュンダイ勢同士の対決
WTCR(FIA世界ツーリングカー・カップ presented by OSCARO)のチームズタイトルは、2チームが争っており、その差は8ポイント。ヒュンダイを駆るBRCレーシングチームが、ノルベルト・ミケリスとガブリエーレ・タルクィーニの活躍でランキングトップにつけており、イバン・ミューラー率いるYMRがそれを負っている。ミューラーは、テッド・ビョークとともに、ヒュンダイi30 N TCRを駆る。YMRは7レース、BRCは6レースで勝利を収めている。

キング・オブ・マカオ、ハフは通算勝利記録更新を目指す
セバスチャン・ローブ・レーシングのフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRを駆るロブ・ハフは、マカオで過去9勝と、最も成功を収めているレーサー。今シーズンは、中盤で不振が続きタイトル争いからは脱落してしまったが、サーキット・ダ・ギアでの10勝目を目指している。2012年のFIA世界ツーリングカー選手権のチャンピオンであるハフが、マカオのストリートコースを得意とする理由を少しだけ明かしてくれた。
「このコースのことを熟知している。細かなところにまで注意を払っているからね。バンプも、輪郭も理解している。世間では、ニュルブルクリンクのノルドシュライフェが世界で最も過酷なコースだと言っている。でも自分は、マカオが世界で最も過酷なコースだと信じている。毎年のように何かが移動しているし、新しいバンプができているので、新たに学ばなくてはならないことが出てくる。誰よりもプッシュすると言うつもりはないのだが、自然なバランスをつかんで速く、しかも限界は超えない走りを目指す。兼ね備えた自信と、セッティングの仕方が組み合わさることで、速い走りができるんだ」

歴史を作ったチンホワ、再びレースに登場先月の武漢戦でWTCR OSCAROでポイントを獲得した初の中国人ドライバーとなったマ・チンホアが、再びブーツェン・ジニオンレーシングから、ティアゴ・モンテイロが使うホンダ・シビック type R TCRで参戦。モンテイロは、先日のWTCR JVCKENWOOD レース・オブ・ジャパンで、重傷からの驚異の実戦復帰を果たしたばかりだが、2019年の完全復帰に向けての準備に専念するために、マカオ戦では、トム・コロネルのチームメイトとして再び起用された。

マカオGPのウィナー、クートがワイルドカード枠で参戦2000年のマカオ・フォーミュラ3グランプリを制したことで有名な地元のアンドレ・クートが、WTCRレース・オブ・マカオのワイルドカード参戦6人の1人として登場する。元世界ツーリングカー選手権ドライバーであるクートは、WTCRプロモーターのユーロスポーツイベントから招待を受けて、TCRチャイナのプロモーターからノミネート。豪快なストリートサーキットでは、タイトル獲得実績のあるMacProレーシングチームから参戦する。さらに、フィリッペ・デ・スーザロー・カイ・ファンラム・カム・サンケビン・ウィン・キン・チェルイ・バレンテが、マカオのASNであるAAMCから、WTCR OSCAROの3レースに参戦。伝統のサンシティ・グループ・マカオ・ギア・レースに華を添える。いずれも厳格な審査を経て選ばれたエントリー。なお、クートはFIAからの公認を受けてのエントリーとなる。