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大会プレビュー:#WTCR2019SUPERGRID マラケッシュでの開幕目前

2019-04-06T16:14:52+02:002019年3月29日|2019, WTCR Race of Morocco 2019|

*モロッコ大会のエントリーラインナップに7人のFIA世界タイトルホルダー
*優勝候補の1人に地元の英雄メディ・ベナーニ
*ストリートレーシングの祭典、マラケッシュ・グランプリは今年10周年
*WTCRデビューは9人、レース優勝経験者12人が勝利を目指す

2シーズン目を迎えるWTCR(FIA世界ツーリングカー・カップ presented by OSCARO)は今週、モロッコで開幕する。新しいマシン、新しいコース、新しいポイントシステムに加え、国際ツーリングカーレース史上、稀に見るハイクオリティなドライバーズラインナップが揃い、近年で最も成功を収めたモータースポーツ界の戦いのドラマは、また一つ、ギアを上げることになりそうだ。

4月5−7日に今シーズンが開幕を迎える舞台は、マラケッシュのムーレイ・エル・ハッサンサーキット。この北アフリカのコースで、#WTCR2019SUPERGRIDの、ドラマにあふれる3回のレースが繰り広げられる。その模様は、世界中に中継される。

12月13−15日にマレーシアで行われるスーパーフィナーレまで世界を転戦する10大会の最初のイベントは、10周年を迎えるマラケッシュ・グランプリ。地元のファンが熱烈な応援を送る母国のヒーロー、メディ・ベナーニは、#WTCR2019SUPERGRIDでも、優勝候補筆頭だ。

#WTCR2019SUPERGRIDは豪勢な顔ぶれに

#WTCR2019SUPERGRIDは堂々の顔ぶれが揃い、7人のWTCR / OSCAROドライバーが、のべ14のFIA世界タイトルを獲得。さらに主要選手権を29も制している。

エントリーリストの筆頭は、ガブリエーレ・タルクィーニ。カーNo.1のBRCヒュンダイN スクアドラ・コルセ i20 N TCRで、マラケッシュからタイトル防衛に挑むシーズンを滑り出す。昨年11月の7人が絡んだタイトル決戦で、わずか3ポイント差で初シーズンでの戴冠を逃した4度の世界王者経験ドライバー、イバン・ミューラーは、中国のジーリー・グループ・モータースポーツが開発したシアン・レーシング Lynk & Co 03 TCRで、再びシリーズに登場。シアンでは、2度目のFIA世界タイトルを狙うテッド・ビョークをチームメイトに迎える。2012年のFIA世界ツーリングカー王者、ロブ・ハフ(SLR VW モータースポーツ・ゴルフ GTI TCR)は、2018シーズンにレース勝利を果たした15人中、2019シーズンもシリーズに参戦する12人の1人。アウグスト・ファルフスヨハン・クリストファーソンアンディ・プリオールはいずれも世界タイトルホルダーで、2019年、WTCR初参戦を果たす顔ぶれだ。

エステバン・ゲリエリ(ALL-INKL.COM ミュニッヒ・モータースポーツ ホンダ・シビックtype R TCR)は、マカオで2018シーズンの最終レースを制しており、このイベントでは、フレデリック・ベルビッシュもシリーズでの初勝利をマークしている。レオパルド・レーシング・チーム・アウディ・スポーツのゴードン・シェッデンジャン‐カール・ベルネイ同様、ベルギーのベルビッシュは、今季もComtoyou レーシングからアウディRS 3 LMSでの参戦を続ける。

レジェンドやベテランとともに、新進気鋭の若手もエントリーリストに名を連ね、強豪に挑んでいく。その中には、TCRヨーロッパタイトルを獲得してWTCRにステップアップするミケル・アスコナ、ここ数年はアスコナとライバルとして凌ぎを削り合うアッティラ・タッシがいる。タッシは、4月6日にレースが始まる時点で19歳9ヶ月23日と、史上最年少でシリーズ参戦を果たすことになる。

ケビン・チェッコンヤン・エアラッシは既にWTCRでの勝利を経験しているが、まだ、それぞれ25歳、22歳。この両者も期待の若手としてカウントされる。さらに、オーレリアン・パニスは2019シーズン、マシンをクプラにスイッチし、Comtoyou チーム DHL クプラ・レーシングから参戦する。

パニスのチームメイトとなるのは、オランダの名手、トム・コロネル。アスコナとともにPWRレーシングから参戦するのは、同社の創設者であるスウェーデンのダニエル・ハグロフで、いずれもクプラTCRを駆る。

ニッキー・キャッツバーグ(BRCヒュンダイ N ルクオイル・レーシングチーム)は、世界ツーリングカー選手権時代にはレース勝利を経験しているが、WTCRとしては初参戦となる。 ALL-INKL.COM ミュニッヒ・モータースポーツのネストール・ジロラミもWTCCレース勝利経験者からWTCRデビューを果たす1人。TCRドイツ出身のベンジャミン・ロイヒターにも、注目が集まる。マ・チンホアは、WTCCでの勝利経験をWTCRで活かすべく、チーム・ミュルザンヌのアルファロメオ・ジュリエッタで参戦する。チンホワは、2018シーズンはシリーズにスポット参戦し、WTCRでポイントを獲得した初の中国人ドライバーとなった。

2017年、WTCCタイトル争いを繰り広げている中で頭部と頚部に重傷を負ったティアゴ・モンテイロは、今シーズンからフル参戦に復帰する。ポルトガル出身、F1でのポディウムフィニッシュも経験しているモンテイロは、香港拠点のKCMGからホンダ・シビックtype R TCRで参戦する。モンテイロの元チームメイトで、BRCヒュンダイN スクアドラ・コルセ i20 N TCRで参戦するノルベルト・ミケリスも、タイトル候補の1人だ。

2019年の変更点

基本ポイントの獲得が上位15人に拡大
WTCR / OSCAROは2019シーズン、より多くのドライバーが、より頻繁にポイントを獲得できるよう新しいポイントシステムを導入する。レース1、2、3での最終順位の上位15人に、以下のようにポイントが与えられる。

順位:1-2-3-4-5-6-7-8-9-10-11-12-13-14-15
ポイント:25-20-16-13-11-10-9-8-7-6-5-4-3-2-1

同様のポイントシステムは、WTCR(FIA世界ツーリングカー・カップ presented by OSCARO)チームズ選手権でも適用される。ワイルドカード枠で参戦するドライバーには、今後はポイント対象外となる。

予選1回目の走行にもポイント
2018年は予選2回目のみポイントが与えられていたが、今季は予選1回目の走行にもポイントが与えられる。最終順位の上位5人に、以下のようにポイントが与えられる。

順位:1-2-3-4-5
ポイント:5-4-3-2-1

Q3の走行順を改定
Q2の順位を基準としていたQ3の走行順システムを改定し、Q2で最速タイムをマークしたドライバーが、5台で行われるQ3のシュートアウトでの走行順を選べるようになった。これにより、Q2で最速だったドライバーが、Q3では自分が走行するまで4人の走行を待たなくてはならない状況が解消される。この変更は、走行を待つ間にマシンのパフォーマンスやタイヤ温度が落ちるなど、不利になる可能性を感じていたドライバーからのフィードバックを反映したもの。

エントリー台数の制限を導入
WTCR(FIA世界ツーリングカー・カップ presented by OSCARO)に参戦するカスタマーレーシングのブランド(2018年から参戦するアルファロメオ、アウディ、クプラ、ホンダ、ヒュンダイ、Lynk & Co、フォルクスワーゲン)同士の参戦台数のバランスを図るために、参戦が認められる台数は、1ブランドにつき2台体制のチーム、最大4台までとなる。フル参戦は26台となり、加えてイベントによって、承認を受けることで最大6台のワイルドカードエントリーが認められる。

フリー走行1回目の開催日が移動
WTCR OSCAROの大会は、イベント中のスケジュール過密を避けるため、3日間に渡って開催されることになった。この結果、フリー走行の1回目はデイ1に行い、チームとドライバーに与えられるコース走行時間は45分間に拡大される。

テストルールも変更
コースでの走行時間の公平性を維持し予算の高騰を避けるために、2019年はテスト制限がさらに厳しくなる。レース前またはレース会期中のWTCR開催サーキットでのテストは認められない。

イベント現地のスタッフ数も制限
チーム毎にアームバンドが10個発行され、イベント中にマシンの作業を行うことができるのは、各戦の開催前にFIAに登録し、イベント中はアームバンドを装着したスタッフのみとなる。

WTCRアフリクイア レース・オブ・モロッコの基礎知識

試練
ストリートサーキットから、2016年に半常設のレースコースに生まれ変わったムーレイ・エル・ハッサンサーキットは、宿泊施設が立ち並ぶマラケッシュの市街地に位置する。FIAグレードII基準で作られたレイアウトは、ハーマン・ティルケで知られる建築事務所による作品で、アトラス山脈とマラケッシュの城壁が織りなす見事な景観を取り込んでいる。しかし、一周2.971km(以前の4.545kmから縮小)というコンパクトなラップと、タイトでウォールの並ぶコーナーと、WTCRのドライバー陣が景観を楽しむ余裕はなく、2018年4月のWTCR / OSCAROの初イベントの際にもその様子がうかがえた。

基本情報
ラウンド数:1−3
開催地:マラケッシュ、ムーレイ・エル・ハッサンサーキット
会期:4月5−7日
住所:Route de L’Ourika, Zone Agdal, Marrakech 40000, Morocco
コース距離:2.971km
時差: GMT +1 (日本との時差は−8時間)

レース 1 走行距離:8 ラップ(53.478 km)
レース 2 走行距離:18 ラップ(53.478 km)
レース 3 走行距離:21 ラップ(62.391 km)

WTCR 予選ラップレコード:ガブリエーレ・タルクィーニ(ヒュンダイi30 N TCR)
1:24.316 (時速126.8km)、2018年4月8日

WTCR レースラップレコード:ガブリエーレ・タルクィーニ(ヒュンダイi30 N TCR)
1:26.150 (時速124.1km)、2018年4月8日

暫定スケジュール
4月6日(土)フリー走行1回目:9時−9時45分/フリー走行2回目:11時ー11時30分/予選1回目:13時ー13時40分/レース1(18周):16時50分/レース1ポディウム:17時25分

4月7日(日)予選2回目 Q1:11時ー11時30分/予選2回目 Q2:11時35分ー11時50分/予選3回目 Q3:12時/レース2(18周):16時45分/レース2ポディウム:17時20分/レース3(21周):18時15分/レース3ポディウム:18時55分